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「React.js&Next.js 超入門」 書評

みなさんこんにちは、kuwana-kbです。

最近、ありがたいことに退職に伴う送別会や結婚式の二次会幹事といったイベントで私生活が充実しておりまして、書評を書く時間がありませんでした(言い訳) 色々と落ち着いてきたので書評を書きたいと思います。

今回は、業務でReact.jsを使う機会がありましてReactに入門しました。学習は「React.js&Next.js 超入門」という書籍で行いました。こちらの書評をしていきます。

React.js&Next.js超入門

React.js&Next.js超入門

ざっくりと2行でいうと

  • React.jsの基礎がわかりやすく解説されている
  • Next.jsやfirebaseといった応用に対応していて◎

この本の紹介

本書はJavaScriptとのフレームワークであるReact.jsとNext.jsの入門書です。 Reactの入門書はそこそこ目にしますが、ReactとNextの両方が解説されている書籍は結構珍しいのではないでしょうか。 対象読者としては、JavaScriptの基礎を押さえている方でReactに入門したい方向けといえます。 Nextはおまけ程度と考えた方が良いです。(後述します)

本書の全体像を示すため、目次を以下に引用します。

  1. Reactを準備しよう
  2. JSXをマスターしよう
  3. コンポーネントをマスターしよう
  4. Reduxで値を管理しよう
  5. Next.jsでReactをパワーアップしよう
  6. Firebaseでデータベースを使おう Ap. Javascriptオブジェクト超入門

この本の2つのポイント

1. Reactの基礎がわかりやすく解説されている

本書はサンプルコードを用いて自分でガリガリ書いていく本です。細かな言語仕様を1つずつ解説していくタイプではなく、大枠を理解してとりあえず動かせるようになろうといったタイプといえると思います。

解説は口語体で書かれていて読みやすかったです。スイスイ進められました。

特によかったのは、覚えるべき優先度を随時書いてくれていた点です。具体的には「これは何回も書くことになるから今は忘れていい。この章ではコレとコレだけは覚えておいてほしい」といった具合です。フレームワークへの入門は、新しい概念や仕様が一度にたくさん出てきて混乱してしまうのですが、本書では優先度の記載があったため混乱せずに済みました。

また、おまけとして「JavaScriptオブジェクト超入門」と題して、JavaScriptの復習ができるページも用意されていました。久しぶりJSに触れる方にとっては嬉しいと思います。私も念の為おまけのページを読んでから、本文を読み始めました。

2. Next.jsやfirebaseといった応用に対応していて◎

本書の特徴として、ReactだけでなくNext.jsの解説もされている点が挙げられます。内容としては、Nextの仕様の解説というよりは、Nextを用いた実践的な解説がメインです。例えば、Next × Reduxといったプラグインの組み合わせの解説やそれらを用いたサンプルアプリケーションの実装などです。これらの内容が60ページほど収録されています。React入門者がNextで何ができるかざっくり理解するには良いと思うのですが、Nextをメインを学びたいという方には少し内容が薄いかもしれません。

以下はReduxを用いたメモ帳アプリです

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Reduxを用いたメモ帳アプリ

また、firebaseを用いたアプリケーションの実装方法についても収録されています。こちらもコンポーネントの使い方とサンプルアプリケーションの実装を知ることができます。

なお、サンプルコードのデータは秀和システムさんのサポートページからダウンロードできます。学習で詰まった際に活用しましょう。

まとめ

以上が「React.js&Next.js 超入門」の書評でした。

前回のVue.jsの書評以降、jsフレームワークへの苦手意識が少々あったのですが、本書は初心者への配慮がされていたおかげか、スラスラと読みすすめることができました。 サンプルコードも多く、自分の手でアプリケーションを作れたので楽しかったです。

これからReactに入門する方におすすめできる書籍だと感じました。

React.js&Next.js超入門

React.js&Next.js超入門

DMM.comを退職しました

こんばんは、kuwana-kbです。

突然ですが、2019年8月9日に 合同会社DMM.comを退職しました。 DMMでは2015年に新卒で入ってから約4年間働いていました。 せっかくなので退職エントリーとしてまとめたいと思います。

1. 簡単な経歴

  • 2015年にDMMに新卒入社
  • 2015 ~ 2018 Webディレクター
  • 2017 ~ 2018 スクラムマスター
  • 2018 ~ 2019 バックエンドエンジニア
  • 2019年8月9日にDMMを退職

2. 過去にやってきたことを振り返る

1,2年目 新卒Webディレクター

DMM.com Laboに新卒として入社しました。当時は営業と開発で会社が異なっており、開発系の職種はLabo所属でした。*1 私はDMMの各サービスが利用する共通機能(ex.会員、決済機能)を扱うプラットフォーム部に配属されました。 職種はWebディレクターでした。

案件としては、デザイン改修案件やネットワーク基盤のリプレイス案件など、いろんな種類の案件のディレクションをやらせてもらいました。 具体的なタスクとしては、要求のヒアリング、案件進行に必要な資料の作成(要件定義・WBS等)、会議のファシリテーション、関連部署との調整、検証などです。 Web系の仕事をしていたわけでもなく、プロジェクトマネジメントの知識もなかったのですが、周りの先輩に支えられながら少しずつできることを増やしていきました。

面白かったのは、先輩ディレクターのバックグラウンドによって得意分野が違ったことです。 デザイナーあがりの方はデザインの造詣が深くて資料がめちゃくちゃキレイだったり、システム上がりの方は要件定義書が細かいところまで言及されていて厳密だったり。 そんな個性的な人たちに囲まれた環境でした。

3年目 会員システムチームのスクラムマスター

3年目からは、会員機能を扱うプロダクトチームのスクラムマスターをやっていました。 当時、スクラム開発が社内で普及し始めたタイミングです。

私はスクラムマスターという新しい役割を与えられ、期待半分・不安半分な心持ちでした。 不安な気持ちを払拭するために認定スクラムマスター(CSM)の研修に応募したり、IPAのPMの試験を受けたりしてました。 危機意識が人を強くしますね。

私にとってこのチームが初めてのスクラム開発体制でした。 それまでと大きく異なっていたのは、チームメンバーにエンジニアやデザイナーがいた点です。 ウォーターフォール開発の時は、職能ごとに組織が別れていて同じチームとして開発することはあまりありませんでした。 考え方やバックグラウンドの違いから多少意見が割れることもありましたが、話し合いを重ねる中でお互いを理解しあえました。 1年間ほどこのチームで仕事をしましたが、最終的にはとてもいいチームになったと思います。 チームが解散した後もTwitter等で繋がりを持っていて、彼らは今でも私にとってエンジニアリングの師匠です。今後ともよろしくおねがいします。

また、技術者と同じチームになったことで変化がありました。ディレクター時代と比べて技術の話を頻繁に耳にするようになったのです。 技術がわからず会議の話題に入れないことがでてきて、自分の中で少しずつ不安の芽が広がっていきました。 もちろん、チームメンバーのみんなは私のためにわかりやすい言葉で話すよう心がけてくれていましたし、 「技術以外で貢献してるんだから気にしないで!」と温かい言葉をかけてくれました。

とはいえ、そうした手間を生じさせている自分、ボトルネックになっているであろう自分のダサさにひっかかりを感じていました。

4年目 ユーザーレビュー基盤のエンジニア

ちょうど一年前の話です。全社的な体制変更の流れがありまして、当時のPOから「エンジニアになってみないか?」と提案を頂きました。 今までずっと引っかかっていた技術に対する苦手意識を払拭するチャンスがきたと思いました。 私は頂いた提案を快諾し、エンジニアになりました。

体制変更を受けて私の所属するチームも変わり、ユーザーレビューのシステムをプロダクトとして扱うチームに異動しました。 このチームでバックエンドのAPI開発、クラウド基盤構築などいろんな経験をさせてもらいました。 チームのエンジニアのみんなは設計が強い人、コーディングが強い、クラウドが強い人とそれぞれ強みを持った人たちでした。 直近では自分よりも若い子達が入ってきて、その成長力と技術力に驚かされていました。 刺激的な環境で業務ができて、恵まれていたなと感じています。

また、そういった人たちに早く追いつきたいという一心で、この1年は技術と向き合った一年でした。 技術系の資格をとったり、定期的に技術書の書評を書いたりしていました。 ちょうど社内LTでこのことについて話したので、興味のある方は是非スライドをご覧ください。

3. なぜDMMをやめたか

理由は2つあります。

  • 尊敬していた人が去ってしまった
  • 新しい環境を体験してみたかった

尊敬していた人が去ってしまった

私のチームには設計が強い方とコーディングが強い方がいたのですが、そのお二人が立て続けに退職してしまいました。 PRのレビューやモブプロなど、お二人と過ごす業務時間は刺激的だったので、これは私にとってかなりショックな出来事でした。 チームそのものは心理的安全性も高く働きやすい環境だったのですが、このことがきっかけで転職活動を始めることにしました。

新しい環境で自分の力を試してみたかった

DMMは異動がとてもしやすい会社です。社内公募は定期的にされますし、実際に公募を通じて異動される方は結構多いです。 なので異動という選択肢もあったのですが、年齢や今後の人生経験のことを考えて、新しい環境に身をおいてみたいと考えました。 特に今まで大企業で働いてたので、スタートアップのような小さな組織に身をおきたいという思いが強くありました。

まあ今考えると、1つめの理由はきっかけに過ぎなかったと思います。 その後、優秀な人たちが入ってきたので技術的なモチベーションは結構戻ってました。 それでも転職に踏み切ったのは、異なる環境で自分の力を試してみたかったことが大きいと感じます。

4. 今後について

今後についてですが、次は板金加工のWebサービスをやってる会社でエンジニアとして働きます。 会社の規模は50人と今と比べるとかなり小さく、わくわくどきどきです。(バックエンドのエンジニアは私含めて3人…!) 今の自分の力がどこまで通用するかわかりませんが、気合で乗り切ります(自己暗示)

そんな感じで、直近2年くらいはがっつりエンジニアとして働こうと思ってます。エンジニアのスキルで飯を食っていけるようになりたいな〜って。 3年後以降はあまり考えてません。エンジニアを続けてるかも知れないし、もしかしたらマネジメントや事業サイドに興味が湧いているかもしれません。 キャリアの道筋はまだ曖昧ですが、とにかく「kuwana-kbと一緒に仕事してーな!」って思われるようにがんばります!

5. 私と同じように異なる職種からエンジニアリングに挑戦している方へ

私のようなエンジニアリング未経験な人間が、経験を積んだプロのエンジニアたちと仕事ができたのはとても恵まれていたと思います。 特に最近は自由な働き方や将来性等の理由で、未経験からWeb系への転職が多くなっている(少なくとも私の観測範囲では)気がしますが、 独学で学習するのと業務でスキルを身に着けていくのとでは難易度や効率が段違いだと思います。 もし、同じようなチャンスのある方は、貴重な機会なので是非挑戦してみてください。 また、独学でチャレンジされている方は、大変かとは思いますが是非Web系企業に転職してみてください。チーム開発は楽しいですし、刺激的ですよ。

もちろん、突然異なる知識領域の仕事をこなすのはきついです。 今までのスキルが活かしづらかったり、わからないことだらけだったりでマイナスな感情にもなるでしょう。 でも、そのピンチはチャンスだと思います。 今まで得たスキルとこれから得る技術のスキルをかけ合わせることができたら、きっと特別な人材になってるんじゃないでしょうか。 少なくとも僕はそうであると信じることでがんばれています。 同じ初心者同士、一緒にがんばりましょう! (私はTwitterで定期的に学習ツイートをしてるのですが、お互いに切磋琢磨できる仲間が増えると嬉しいです)

6. 最後に

ここまで読んでくださってありがとうございます。

新卒でDMM.comに入ることができて本当に良かったと思っています。 私に関わってくださったみなさま、本当にありがとうございました。 今後ともよろしくおねがいします。 そして、いつかまた一緒に仕事ができる日を楽しみにしています!

お礼

転職に際して、Amazonのギフトを頂きました。

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この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございます。

Amazon | 欲しい物リスト

こちらが応援物資のURLです。 ご支援いただけますと嬉しいです。

*1:2018年に合同会社DMM.comになりました

ネットワークスペシャリストの合格体験記を書きました。

みなさんこんばんは、kuwana-kbです。

今週、IPA情報処理技術者試験の申し込み受付が開始しましたね。 私は今回受ける予定はないのですが、前回の秋期はネットワークスペシャリストを受験しました。 せっかくですので、今回受験する方やネットワークに興味のある方向けに合格体験記を書いてみました。

qiita.com

Webエンジニアの視点からネスペという資格を見る

Web業界だとIPAの試験ってそこまで重視されないですよね。どちらかというと、資格よりも実績を見る傾向が強いんじゃないかと思います。 それはそれで正しいと思うんですが、試験を受けたからこそ広がる視野みたいなものもあると思います。 ネスペの場合だと、パケットの中身の構成やインターネットを支えるプロバイダーのネットワーク構成のような知見を深めることができると思います。

まあだからといってWebエンジニアの人にこの試験を勧めるかというと、ちょっと勧めづらいですね。 この試験はそこそこの学習期間を要するので、それよりもポートフォリオを充実させたり、新しい言語にチャレンジしてみたりするのがいいかな、と思います。 資格でいえば、今はAWSの試験の方が費用対効果が高いと思います。学習時間は数週間で済みますし(早い人は数日かも)、市場の需要も高いですからね。 また、ネットワークについて学習したいという人は、「ネットワークはなぜつながるのか」と「マスタリングTCP/IP 入門編」の2冊を読むのが良いと思います。ネスペの試験勉強で何冊かネットワーク関連の書籍を読みましたが、私はこの2冊でネットワークの大枠を理解することができました。

ちなみに、私はここ最近転職活動をしていたのですが、資格の取得が意外と評価されました。 これはスキルの証明というよりも、ポテンシャルのアピールにつながったのだと思います。 この詳しい話はまた後日まとめたいと思います。

ひとまず今回はネスペ記事の共有でした。

「基礎から学ぶVue.js」 書評

みなさんこんばんは、kuwana-kbです。

前回の書評JavaScriptの基礎を一通り学習できたので、今回は一歩進んでJSフレームワークに挑戦してみました。フレームワークはVue.jsを選んでみました。職場の周りの人たちやTwitter上でよく話題を耳にしていて、一度触ってみたいと思っていたからです。 学習は「基礎から学ぶ Vue.js」という書籍で行いました。 今回はこちらの書評をしていきます。

※この書評は、JS初級者・JSフレームワーク未経験の者が書いてます。スキルセットの違いで評価は変わってくると思うので、予めご了承ください。

基礎から学ぶ Vue.js

基礎から学ぶ Vue.js

ざっくりと2行でいうと

  • Vue.jsの基礎と定番のプラグインについて学べる
  • 初心者向けとは言いづらい

この本の2つのポイント

1. Vue.jsの基礎と定番のプラグインについて学べる

本書はリファレンス形式の書籍となっていて、Vue.jsの機能を基礎から解説しています。機能ごとにサンプルコードが掲載されていて、一応自分で書いて試していくことができます。(一応と書いた点は2つめのポイントで後述します。)

また、Vue.jsを使う場合に定番のCLIツール「vue-cli」およびプラグイン「vuex」と「vue router」の解説も付属しています。流行りのライブラリの使い方を学べるのはありがたいですね。

2. 初心者向けとは言いづらい

表題に「基礎から学ぶ」とついてはいますが、Vue.js初心者には少し不親切な部分がありました。

1つめは、「新しい用語が登場しても、解説が後の方になっていてよくわからない」ことがありました。例えば最初のほうで「ディレクティブ」というvueの仕様が登場しますが、なんだかよくわからないまま使っていました。ある程度前提知識のある方(他のjsフレームワーク経験者とか)であればスラスラ読めるのかもしれませんが、私のレベルだとうまく咀嚼できませんでした。

2つめは、サンプルコードが中途半端である点が挙げられます。書籍上に載っているサンプルコードはそのまま書いても動作しません。HTMLファイルのheadタグやscriptタグ等が除外されています。本文でも「コードは省略しているが、この部分を書き換えればよい」的なことが書いてあるんですが、サンプルコードによっては追加でライブラリを入れる必要があったりして、書き換えるだけでは動作しないものがありました。

一応、サポートページにもコードは置いてあります。

github.com

cr-vue.mio3io.com

ただ、「md形式になっていてサンプルコード別にファイルが分かれていない」&「コードをコピペしただけでは動かない」状態なので、あまりありがたみがないです。サンプルコードを全て自分で書いて動かしたい、という人にはあまり向かない本だと思いました。

私としては、以下のような形に修正されると嬉しいです。

気になったこと

サンプルコードだと文末のセミコロンが全くなかったのですが、Vue.jsはなくてもよいのだろうか…? 予期せぬエラーを防ぐために付けよう、とJavaScript本格入門には書いてあったが…。さらっと調べると、vueだとつける人とつけない人でわかれている…?

まとめ

以上が「基礎から学ぶVue.js」の書評でした。 私の理解力に問題があるのかもしれませんが、「JSフレームワークは完全な初心者、サンプルコードは全部書きたい」な私にはあまり向かない本のように感じました。単純に対象読者に含まれていなかった、という話かもしれません。Reactとか他のフレームワークに慣れている人にはいいのかもしれないです。

とまあちょっとネガティブな感じになってしまいましたが、最近のJSフレームワークの全体像は理解できました。チームではReactを使っていくことが決まったので、今後のReact学習に活かせそうです。

「改訂新版 JavaScript本格入門」 書評

みなさんこんばんは、kuwana-kbです。

前回の書評からJavaScriptを始めまして、引き続き学習を進めています。 今回の書籍は、「改訂新版 JavaScript本格入門 モダンスタイルによる基礎から現場での応用まで」です。
JavaScriptのもう少し細かな仕様や、現場で使えそうな知識について学べたのでご紹介したいと思います。

ざっくりと3行でいうと

  • プログラミング経験者に最適なJavaScript入門書
  • ECMAScript2015に対応していて◎
  • 現場を想定した応用知識が充実している

この本の3つのポイント

1. プログラミング経験者に最適なJavaScript入門書

この本はJavaSciptの入門書ですが、入門書の中ではどちらかというと難しい部類に入るかと思います。 どう難しいかというと、言語の仕様の説明において他言語を用いた例が使われている点です。 「JavaC#の〇〇と似たような仕組み」といった形で説明がなされるので、プログラミング経験者でないと理解が追いつかない部分があるかと思います。 また、オブジェクトの項でオブジェクト指向に言及していたり、ajaxの項でPHPを用いたサーバーサイドの実装の話が出てきたりと、JavaScriptとは別の領域の知識も出てきます。 もちろん、随所に補足があるのでこれらのことを知らなくても読み進めることはできますが、知らない人は若干読みづらさを感じるかもしれません。 プログラミングが初めてという方は、前回紹介した「スラスラわかるJavaScript」をおすすめします。

kuwana-kb.hatenablog.com

一方で、プログラミング経験者である場合は、他言語と比較するスタイルをとっている本書の説明はわかりやすいと思います。 また、実践的なサンプルコードも評価できるでしょう。 以下は本書の一節にあった「はてぶのブックマークを取得するプログラム」です。こういう実践的な学習は、やっていて楽しいですね。

はてぶのブックマークを取得するプログラム、これはajax × PHP × dockerで構築してます

そういう意味で、プログラミング経験者にはおすすめできる入門書だと感じました。

2. ECMAScript2015に対応していて◎

本書は2018年8月に改訂版として出版されています。 この書評を書いている時点でまだ1年も経っていないので、比較的新しめの情報が載っている点も評価できると感じます。 個人的には、ECMAScript2015(ES6)の記法についての解説が良かったです。

特に良かったのは、ES6に完全に対応していないことを考慮してES5での実装方法を紹介し、さらにES6での方法も紹介する、というような形で解説がされている点です。 開発環境に合わせて書き換えられるよう考慮されているのは良い点だと思いました。

3.現場を想定した応用知識が充実している

本書はJavaScriptの仕様の解説だけでなく、現場で使える応用知識についての解説も充実しているように思いました。 以下にいくつか列挙してみます。

ブラウザ開発者ツールの使い方を知れてご満足な私

ブラウザの開発者ツールなんてなんとなく使っていた節があったので、本書を機に各機能の使い方を知れたのは嬉しい誤算でした。 Jasmine, Grunt, Babelあたりはディレクター時代に周りのエンジニアが使っていたのを記憶しているので、結構現場寄りの知識だと思います。 「あの時みんなが話していたことにようやく追いつけそう!」と少し高まっちゃいました。

まとめ

以上が「改訂新版 JavaScript本格入門」の書評でした。 基礎から応用までで450ページにもおよぶ本書は、内容としてはかなり充実していると思います。 プログラミング経験者でJSの基礎を学びたい・学び直したい方におすすめです。

基本的なJavaScriptの使い方はこれである程度自信がつきました。 次はJSフレームワークに手を出してみようとおもいます。

「スラスラわかるJavaScript」 書評

みなさんこんばんは、kuwana-kbです。

近々、業務の都合でフロントエンドを触る機会がでてきそうです。 私個人としてもJSフレームワークを使ってWebサイトを作ってみたいと思っていたので、いいタイミングだと感じています。 とはいえ、フロントエンドに関する知識はほとんど無い状態なので、初心に帰ってJavaScriptを勉強しようと思った次第です。

今回の書籍は、「スラスラわかるJavaScript」です。

スラスラわかるJavaScript

スラスラわかるJavaScript

ざっくりと2行でいうと

  • プログラミング初心者にもおすすめできるくらい易しい
  • 情報が古い点には注意が必要

この本の2つのポイント

プログラミング初心者にもおすすめできるくらい易しい

この本はJavaSciptの入門書です。 入門書の中でも、かなり易しい部類に入るかと思います。 始めの方の章ではHTMLとCSSの解説もされているので、プログラミングの最初の一冊目でも問題ないくらいのレベル感です。

逆にいうと既にプログラミング言語を1つ以上扱える方にとっては簡単すぎるかもしれません。 そういう方は、本書の前半は基本文法がほとんどなのでさらっと流して、後半以降を読まれるのがよいかと思います。 8章の「イベント駆動型モデル」あたりからJavaScript特有の要素が強まる印象なので、そこら辺からがよいでしょう。

私としては、1年前に学習を始めた時によくわからずにそのままにしていたDOMやjQueryについて理解できたのが良かったです。 (まあこれは1年の間に他の言語に触れたおかげもあるとは思いますが…)

2. 情報が古い点には注意が必要

本書は2013年に出版された本なので、情報が古いように見受けられる部分がいくつかあります。 具体例を2つ挙げてみます。

解説がES6に準拠していない

まだECMAScriptについて学習をしていないので、詳しいことは分からないのですが、現在主流の書き方であるES6に準拠した書き方ではない部分があるように思います・ 具体的には、変数宣言としてlet, const の紹介がなく、varでのみ記述されているのが気になりました。 (varで書いてたらエディターに怒られて気づきました。) せっかく学んだ文法がもう使われていないものだと、学習コストが余計にかかります。 是非、第二版でES6も追記して頂けると嬉しいです。

cf. JavaScript var/let/constによる変数宣言 - Qiita

使われているライブラリのバージョンがかなり前のものである

本書で登場するjQueryやそのプラグインのバージョンはかなり前のものになっています。例えば、書籍ではjQueryのバージョンが1.9.1でしたが、私は3.4.1を使用しました。 書籍なので更新がされない点は仕方ないかもしれません。ただ、書籍の中で言及されているLightboxプラグインとの互換性問題は、現在では解消されているようでした。つまり、書籍に書いてあるのはあくまで当時の状況であって、今使ってみると若干使い勝手が違う部分があったので、こちらも注意が必要です。

データ取得の仕組みが古い

こちらは、WebAPIとの連携でJSONPしか紹介されていない点が気になりました。 JSONPJSONPインジェクションという脆弱性があるため、クレデンシャル情報は渡さない&信頼する相手とのみ使うようにと一般的に言われているようです。 今ではCORS設定を用いたクロスドメイン通信があるので、そちらも紹介した方がよいのでは、と思いました。 cf.JSONPは危険なので禁止 – yohgaki's blog

まとめ

以上が「スラスラわかるJavaScript」の書評でした。 内容としてとても易しいので初心者の方にもおすすめしたいところですが、情報の古さが少し残念でした。 是非、第二版で最近の状況を踏まえたものにアップデートしていただけると嬉しいです。

AWS認定試験のアソシエイトを3つ取得しました

こんにちは、kuwana-kbです。

先日AWSのSysOpsアソシエイトに合格しました。これでAWS認定試験のアソシエイトレベルを3つ取り終えたことになります。受験日の翌日にはAWS認定アカウントに合格証とデジタルバッジが追加されていました。 f:id:kuwana-kb:20190615141425p:plain

試験の学習方法等については、Qiitaの方にまとめたのでよければご覧ください。 qiita.com

次の試験はプロフェッショナルレベルになります。 受験料が一回30,000円で難易度も高そうなので、あまり気軽には受験できなさそうな印象です。 クラウドもやりたいですが、直近ではフロントやバックエンドの実装スキルも高めていきたいと思っているので、しばらくはお預けになりそうです。

また受験をした際はまとめたいと思います。 それでは。